【本紹介】ランチェスター戦略「弱者逆転」の法則
こんにちは、こすけです。
第一回に引き続きビジネス本の紹介をしていきたいと思います。
実は、この間「読書感想会」なるものを開催しました。
向上心の高い仲良しメンバーを約10名程集めて、今流行りのzoomで読んだ本の内容や感想を伝え合うという会です。
開催に至った理由の一番の目的は、インプットだけでなくアウトプットも行うことで互いに理解を深めることが出来ると言うことです。
第一回ということで改善点も多々ありましたが、なにより楽しかったのでブラッシュアップしていき、さらに盛り上げていきたいと思います。
さて、今回ご紹介するのはこちらの本です。
ランチェスター戦略「弱者逆転」の法則
「差別化×集中化×接近戦」を用いれば、ビジネスにおいて弱者でも強者に勝つことができるという内容の本になります。
それでは、早速紹介してまいります。
戦いの原理
「競合局面に敵と味方の力関係で勝敗が決まる
」
企業と企業の競争というのは、一種の戦いです。
戦いには原理があります。
それが、「競合局面に敵と味方の力関係で勝敗が決まる」というものです。
本書では、実際のビジネスや歴史を多数事例にしておりますので、ご紹介していきます。
『孫子』
約2500年前に書かれた中国の戦争バイブル『孫子』には「十をもって一を攻めよ」という教えがあります。同程度の兵力の戦いの場合、例えばまず揺動戦で敵を10に分断・分散させます。分散した敵に対して味方の兵を一点に集中させ、集中して攻めます。いわば10対1を繰り返すということです。このよう
な戦い方を各個撃破といいます。
戦場を定め、そこに一点集中し、敵に優る力を投入する「局所優勢主義」これこそが、弱者逆転の法則と言うわけです。
孫子という戦い方のバイブルでご紹介しましたが、実際のビジネスにも応用することがきます。
『ペット保険ナンバーワンのアニコム』
現在、国内損害保険業界のシェアは大手の3グループが占めている状態です。
そんな巨大な大手も手を出していない分野があ
ります。
それがペット保険です。
今回ご紹介のアニコム、こちらの会社はペット保険の市場でなんと70%近いシェアを占めるベンチャー企業です。
ペットを飼う人にとってはペットは大切な家族同様です。
そこに目をつけたアニコムは、気軽に動物病院で受診することができるよう、「人間の健康保険のようなペット保険」なるものを販売しています。
この保険は動物病院とコンピューターでつながる必要があり、小口の決済を多数しなければなりません。大手の損保会社からすると市場は大きくない割に手間暇がかかるもので、なかなか参入しません。未だ、参入もしておらずアニコムの独壇場市場となっています。
いわゆるビジネスにおける弱者は、決して万人受けを狙う必要はないどころか狙ってはいけません。万人に受けようとすると、どうしてもメッセージが薄まってしまいます。では、どうすれば良いのか。
それは、「一部で圧倒的に勝てば良い」です。
強者がシェアをとっているところに弱者が正面切って向かっていっても結果は、目に見えています。
勝てる土俵で闘うということがとても大事なのです。
ランチェスター第一法則
「局地戦ならこう戦え」
刀や槍などによる1対1の原始的な戦いや狭い範囲で敵に近づき闘う場合には、
この「ランチェスター第一法則」を使用します。
【ランチェスター第一法則】(1対1の戦い、単発兵器、局地戦、接近戦に適用)
戦闘力=武器性能×兵力数
戦闘力とは、企業間競争においては、競争力といえるでしょう。
兵力数とは、営業担当者の数、店舗数などい
わば営業力・販売力となります。
武器性能とは、商品力・サービス品質、営業担当者スキルや情報システムなどです。
これを敵と味方で比較検討してみます。
この勝敗をわけるポイントのことを重要成功要因(Key for Success=KFS)といいます。
兵力の比以上に武器性能の比を高めれば、
小であっても大に勝てます。弱者逆転できるのです。この武器性能をあげることを「差別化」といいます。
ランチェスター第二法則
「広域戦ならこう戦え」
集団対集団が、機関銃など多数を同時に攻撃する近代的な確率兵器を使って広い範囲で敵と離れて闘う場合は「ランチェスター第二法則」が適用されます。
【ランチェスター第二法則】(集団戦、確率兵器、広域戦、遠隔戦に適用)
戦闘力=武器性能×兵力数の2乗
武器性能と兵力数の意味は第一法則と同じです。違いは兵力数が2乗になることです。
それは、相乗効果を発揮するからです。
3人対5人の戦いなら、「3の2乗=9」対「5の2乗=25」と、攻撃力の差がとても大きくなります。
第二法則の戦いでは、兵力の少ない軍が少し
武器を磨いたところで無意味です。
第二法則が適用される広域戦においては、兵力数の多い方が圧倒的に有利です。
解説してきたランチェスターの二つの法則をビジネスに応用すると、
企業の「力(競争力)」とは、
▶︎局地戦の場合、「競争力=武器性能×兵力数」
▶︎広域戦の場合、「競争力=武器性能×兵力数の2乗」
となります。
そうなると小(弱者)は、第二法則で闘うとまず間違いなく負けます。小は戦いを第一法則的にして、かつ、その競合局面において「
武器性能×兵力数」で大を上回れば勝てます。武器を磨くいわば差別化をすることが至上命題です。そしてそこに兵力を集中する一点突破の局所優勢主義こそが弱者の戦略というわけです。
商品・サービスの差別化
差別化の取り組み方は様々ありますが、「2M+4P」が基本の切り口となります。
(2M)
▶︎理念・事業の定義(Mission)
▶︎市場・顧客層(Market)
(4P)
▶︎商品とサービス(Product)
▶︎価格(Price)
▶︎販路と地域(Place)
▶︎反則と営業(Promotion)
一番安易な差別化は価格を安くすることです。
しかし、これほど簡単に強者に真似される差別化もありません。
価格競争はスケールメリットの世界になるので、強者が圧倒的に有利な世界です。
決定的な差別化というのはたやすいことではありません。
差別化とは非常識なことです。常識的な差別化なんてあり得ないのです。
業界にドップリ漬かっていると、なかなか非常識な発想は生まれてきません。
そんな時は他業界に差別化のヒントを求めるのも良いでしょう。
弱者は、小さな差別化を掛け合わせていく必要があるのです。
シェアによって戦い方は異なる
市場における各社の力関係を「市場占有率(マーケットシェア)」といいます。このシェアにおいて1位の企業を強者、2位以下の企業を弱者と定義します。
弱者と強者とでは戦略が根本的に異なります。
マーケットシェアを調べるにはまず、市場という分母を設定し、敵の売上をつかみます。分母は、自分のビジネスのドメイン(
領域)です。
必ず自分の地域内に市場がどれだけあり、その中でどれだけのシェアを確保しているかを確認しなければなりません。
弱者逆転は局所優勢主義で闘うことによって実現します。局所における力関係、すなわちシェアを知らずしては戦えません。ということは小さな会社こそシェアを重視すべきなのです。
そして企業規模の代償に関係なく、大事そうなところ、わかりそうなところから順次調べて、競合局面ごとの部分のシェア情報をローラー調査など足で集めるしかないのです。
一点集中主義
弱者は総合1位を目指す必要はありません。競合局面ごとの部分1位、ただし、部分のダントツ1位を目指すべきなのです。このことを「一点集中主義」といいます。一点集中主義とは、事業領域を細分化し、細分化した小さな領域のどこか一つに集中し、小さなナンバーワンをつくることです。地域に根ざしたビジネスなら地域からナンバーワンをつくることが原則です。
設けたかったら戦線を縮小せよ
地域の一点集中
きわめて狭い範囲に戦場を絞り、その中で最重点エリアを決めます。そしてそこに集中攻撃をかけるのです。その選択基準は、「勝ち易きに勝つ精神」最も勝ちやすいエリアを選べば良いのです。小売店など店舗型ビジネスの場合は、ドミナント(高密度集中)出店が一点集中主義に該当します。
顧客層の一点集中
顧客層の一点集中とは、特定の業種や規模の顧客にターゲットを絞ることです。競合他社との比較の上で自社にとって有利な、あるいは得意な顧客層はどんな業種なのか、規模なのか、職種なのかを決め、一点集中します。ターゲットを絞れば、それ以外の顧客は後回しにします、ターゲット以外の顧客層を切り捨てる勇気が必要です。
このように弱者は狭く深く一点集中し、狭い範囲でのナンバーワンを目指すことが大事なのです。
”ランチェスターな人”になる個人戦勝利の5か条
以下5か条を知って実行すれば、あなたはきっと人生の勝者になれるでしょう。
第一条:戦いは敵と味方の力関係で全てが決まる
孫子にも「彼を知り己を知れば、百戦して危からず」とありますが、敵と味方の力関係を知らずして闘うのは、あまりに無謀なことです。よく調べてから戦うように。自分が勝てる分野を探すことが大切です。
第二条:弱者は万人受けを狙うな
弱者は局地戦、接近戦、一騎討ち戦で戦うのが
ランチェスターの原則。これは狭い範囲で深掘りし、その一点において圧倒すべきということ。弱者は広く万人受けを狙う必要はありません。いや、狙ってはならないのです。嫌われても良いじゃないですか。一部で熱烈
に好かれれば。
第三条:自分の勝ちパターンを知れ
ご自身の過去の経験をランチェスター戦略で斬ってみてください。あのとき、うまくいったのはなぜ?このとき、失敗したのはなぜ?ランチェスター戦略という刀で自らの経験を斬ると、重要成功要因を論理的につかめるはず。それが、あなたの勝ちパターンなのです。そのパターンを知れば、様々な場面に応用が効きます。
第四条:オンリーワンな人になれ
ランチェスター戦略が定義するナンバーワンとは、総合1位ではなく、ある部分でのダントツの1位のこと。これすなわち、オンリーワンということではないでしょうか。本来、人間は誰しもかけがえのない存在のはずですが、実際のところはどうでしょうか。ないがしろにされたり、人格を傷つけれられた
りするものですよね。
やはり、人は人に大切にされたいのなら、いなくては困る存在感のある人になるべきです。オンリーワンな人になれば、尊敬もされますし愛されもするでしょう。そうすれば、無用な争いごとに巻き込まれることもありません。戦わずして勝てるのです。
第五条:成果=取り組みの質×量
では、どうすればオンリーワンになれるのか。それには当然、何かでダントツの一番になるべく、努力をする必要があります。ランチェスター第一法則の結論は「戦闘力=武器性能×兵力数」であり、武器性能は質的なこと、兵力数とは量的なことに該当します。これを置き換えると、何かを成す、その成果は、取り組みの質と量を掛け合わせたものです。それが勉強であれば、質の高い教育を受け、質の高い教材を使って、たくさん勉強したものが一番になります。ごく当た
り前のことをいっているようですが、質と量ということにどれだけ神経をつかうかが、勝負の分かれ目なのです。
以上が5か条です。
ビジネスそして人生においてもランチェスターの法則というのは適用できるものなのです。
人生を、戦いを、おおいに楽しもうではありませんか!
以上が、この本の概要となります。
私自身これからビジネスを手掛けるにあたり弱者としてスタートするわけですが、このランチェスターの法則を存分に活用して、
「差別化×集中化×接近戦」を用いて強者に挑んでいきたいと思います。
それでは、また次回お会いしましょう。
See You Again.
こすけ